第8章 離れそうな心取り戻すため
聖奈と別れた後そのまま仕事に行くため、
駅に向かう。
1人の道は寂しい。
さっき聖奈といたからかもしれない。
「中島。」
ふいに声を掛けられ振り向くと風磨がいて
「そんな睨むなよ」
睨んでるつもりはないのにそんなことを言われた。
「お前が本気なら俺は身を引くって決めてたんだ。今の中島最高にカッコいい」
いきなりそんなことを言われ
俺が本気なら身を引く?
あいつが風磨を選んだら?
あいつの気持ちはどうなる?
そんな気持ちであいつと付き合ってたわけ?
「お前、そんな気持ちで聖奈と付き合ってたの?本気じゃなかったのかよ」
俺がそう言うと険悪なムードになった。
「本気だよ。あいつのことが…聖奈のこと本気だよ。だけど、あいつが幸せになるべき場所は俺じゃないんだよ。悔しいけど、あいつのホントの笑顔引き出せるのはお前なんだよ、、、。」
今にも泣くんじゃないかってくらい辛そうな風磨
いつもへらへらしてるこいつだからそんな表情を見たのは初めてだった。
「なんだよそれ。」
「聖奈にとって安心していられる場所はお前なんだよ。でも、あのとき……聖奈と別れる前のお前はさ。
ファンが一番で聖奈は二の次。だから、仕事を理由にして会いに行かなかったんだろ?仕事のときはファンが一番でもいい。でもさ、プライベートのときはあいつのこと考えてやれって。
わかってた?聖奈が泣いた理由。」
仕事とプライベートの区別か。
あのとき、俺は聖奈と真剣に向き合えてなかったんだ
会いに行けた会いに行かなかった。
寂しい思いをさせてた。
聖奈と別れてから光をなくしたように笑えなくなって
ファンとも向き合えなかった。
聖奈の大切さがわかった
俺のわがままで聖奈もファンを振り回してたんだ。
「今のお前ならさ、聖奈を幸せにできるよ」
今の俺?
風磨に、早く行動しとけよって言葉によって
俺は、聖奈の離れそうな心を取り戻すために
必死で、
ちゃんと俺を見てほしくて仕事も
「今のお前ギラギラしてる」
風磨ありがとう
全部お前のおかげだ
そしてごめん。