第5章 大好きな君へ
家の前で聖奈と風磨に遭遇して
聖奈を見ると一言でもいいから話したくなって、
「聖奈、久しぶりだね」
聖奈に声を掛ける。
自然と笑顔になる俺。
聖奈は俺から目を反らして風磨の袖を掴む
「中島。そいつ彼女?」
風磨がそう聞いてきて
聖奈の前で言いたくなくて言葉が詰まる
「風磨ッ 行こっ」
風磨の手を引っ張る聖奈。
やだ 行かないで そばにいてよ。
俺から離れないで。
「聖奈……」
名前を呼んだら
振り返って
「バイバイ健人。」
って言ったんだ。
これが現実なんだ。
もう繋がることはない。
もう俺のとこには戻ってこない。
聖奈は前に進み始めてるんだ。