第5章 大好きな君へ
風磨と出掛ける約束をした。
風磨に惹かれ始めてるのはほんとで健人を忘れられないのも事実。
このまま、風磨を好きになればいいのに。
あたしと健人は幼なじみでお互いがいない世界を知らなかっただけかもしれない。
他の人と一緒にいれば満たされる?
ピンポーン
インターフォンがなって玄関を開けると風磨がいて
「準備できた?」
「出来てるよ!」
「行くか」
そんな会話をして家を出る。
ガチャ
同時に隣の家から女の人と健人が出てきた。
健人がこっちに気付き
「聖奈、久しぶりだね」
ニコッて笑う健人
前は好きだったその笑顔
今のあたしにとっては辛いものでしかなかった。
風磨の袖を掴むと手を握ってくれた。
「中島。そいつ彼女?」
健人の口から彼女なんて聞きたくなくて
「風磨ッ 行こうよっ」
風磨の手を引っ張る。
「聖奈……」
健人があたしの名前を呼ぶ、
だけど、今は聞きたくない。