第9章 どんぐりの背比べ
トントントントンと貧乏ゆすりの音が朝から消えない。
消えないというか消せない。
僕こと白澤は、最高に機嫌が悪かった。
というのも
先日、『犬猿の仲であるウザい奴』から『犬猿の仲である憎い恋敵』へ変わった例の鬼に、あいつの好いてる子から、つまりはかわいいかわいい僕の彼女から貰ったチョコを自慢しに行った時の事。
「ねぇねぇ〜見てこれ。何だと思う?」
「…バレンタインのチョコですかね。」
「そ〜〜〜〜〜〜!さゆ、ちゃん、からの、チョコだよ〜〜〜〜〜〜〜〜」
「それは良かったですね。五月蝿いんで帰ってください。」
なんてはじめはいつもみたいに、こないだの復讐も込めて自慢をしていた。
その時の僕といえばさゆちゃんからチョコを貰えたのが嬉しくて、尚且つあいつにはチョコはあげてないって聞いて、こりゃ自慢しなきゃと舞い上がっていた。
そんなこんなで執拗に自慢をしていた時だった。
「この通りさゆちゃんの彼氏は僕なんで。残念〜〜〜っぐッッ!!!!」
突然アッパーをされた。