第8章 バレンタイン特別短編(鬼灯)
「あ、じゃあ私はそろそろ行きますね。」
「すみません、長居させてしまいましたね。」
「いえ。鬼灯さまも、お仕事まだあるんですよね?頑張ってください。」
2人で部屋の入り口までゆっくりと向かう。
このドアを開ければもうこの空間も終わりだ。
…………。
おもむろにさゆさんの手を掴みこちらへ引きよせる。
頬に手を添え、額に軽く、口付けを落とした。
一瞬、時間が止まる。
「…ほ、鬼灯さま?!」
「面白い顔してますね。」
「はぁ…っ?!」
かーーっとさゆさんの顔が一気に赤くなる。
「からかわないでください…っ!」
「私からのバレンタインプレゼントです。レアですよ。」
「そういう問題じゃない!!」
ぷんすか怒るさゆさんに思わず口元が緩んだ。
男も女も、鬼でさえ浮き足立つバレンタイン。
このくらいはまぁ、
許してもらえますよね。
「さゆさん怒ってます?」
「怒ってます!」
ふふっと笑うと「鬼灯さま!」とまた怒られた。
何というかまぁ、
本当、彼女の隣はいいですね。
オマケ
「鬼灯さま!!!白澤さんに私がマッサージしたこと言ったでしょう!!!鬼灯さまが口止めしたくせに!!!」
「すみません。白澤さんが貴女からもらったチョコをあまりにも自慢してくるのでついうっかり。」
「またかあのバカ神獣!!!!!」