第7章 話して触れて愛させて
夕食を食べて、シャワーを浴びて今は自室にいるけど白澤さんのことが気になって仕方なかった。
あと2分ほどで日付が変わる。
どうしよう、日付をまたいだら行ってみようか?
もう寝てしまっただろうか。
っていうか私がこんな夜に部屋に行くのは誘ってるみたいでアレかな?いやいや白澤さんだしどうせそんな事にはならないだろう。
明日になったらきっと元の白澤さんに戻っているとは思うけどでもこんなことは付き合う前以来なので気になるものは気になる。
そわそわとしてしまう。1分が長い。
こうなったらことの原因であろう鬼灯さまにでも電話してみようかな。こんな夜に?いやでもきっと起きてるでしょ。
そわそわしながらケータイに手を伸ばす。
電話帳から鬼灯さまを探す。
「あった。」
さていざ着信ボタンを押そうとしたところでコンコンとドアをノックする音が響いた。
「……っ…はい…!」
日付は超えている。
こんな時間にくるのはきっと彼だろう。
「白澤さ…」
ドアを開けたとたん、予想通りの人物にきつく抱きしめられた。
「っ…白澤さん、痛いです…」
「……ごめん…」
腕の力が緩められる。
いつもと違って弱々しい姿に不謹慎だが少しときめいてしまった。
「中、どうぞ。」
部屋に招き入れると素直に入ってくる。
そう言えば白澤さんが自室にくるのはこの部屋ができたばっかりのとき以来かもしれない。そう思うと少し緊張する。
ドアを閉めたところでまた白澤さんに抱きしめられる。
「白澤さん、本当どうしちゃったんですか?」
「…なんでもないよ。ただ、今は早くさゆちゃんに触れたかったんだ。ごめんね、こんな夜中に。」
「いえ、それはいいんですけど…」
ケータイが邪魔だなと思い、机に置こうと手を伸ばしたところで白澤さんに腕を掴まれた。
「?あの、白澤さん…」
「……あいつに電話しようとしてたの?」
「えっ」
目の前の景色が回転する。
気付いたらベッドに押し倒される形になっていた。