第12章 愛しい人へ(中編)
あの後、彼の地獄で受ける初めの罰に立ち会わせてほしいと大王様と鬼灯様に頭を下げた。
「それは…別に見るだけなら構いませんが…」
「だいぶショッキングだよ?」
「これは私が自身に与える罰みたいなものなので。むしろその方が良いです。」
顔を見合わせた両者はまぁ、そう言うならと許可をしてくれて、その件と今回彼に会わせてくれた事にお礼を言って、白澤さんと桃太郎くんと一緒に地獄を後にした。
そんな2人はというと、話し合っていたのか、帰り道私を真ん中にして手を繋いで、改めて白澤さんと彼とどっちが好きかなんて軽やかに雑談をしてくれて。
正直2人の反応が怖かったので、すごくホッとした。
「でもね、最後の抱擁は、現彼氏としてはちょっと複雑だけど、良いなぁって思っちゃったんだよね。ああいう雰囲気?みたいな。」
「ああ、なんかわかります。」
「そう?なら、嬉しい…かな。」
…あの時、お互いに自然と体が引き合っていて
そうしてようやく、自分達が自分達にかせた罪を、自分自身を許せた気がした。
愛してると、本当に心の底から確かめあえた気がした。
「同じ気持ちですよ。今こうやって手繋いでるのも。」
「帰ったら兎達にもしなくちゃね。」
「そうだね。その間に白澤さんはご飯の支度お願いします。」
「えっ?僕だけのけ者?」
その後はまぁ、外で月見酒をしながらそれぞれ酷く酔っ払って。辛うじて各自部屋で寝たけれど、翌朝仲良く二日酔いの頭痛に悩まされた。