第20章 仲直りをしよう
「……しっかし、なんか悔しいな。」
「ん?」
「…赤司様の言ってた通りになった。」
「征十郎さん?」
優希は、地面の小さい石を蹴っ飛ばして、苦笑している。
私は不思議に思って、首を傾げると、優希は笑いながら教えてくれた。
「俺の婚約者をナメるなってさ。」
「え?」
「…彼女は必ず、自分で答えを出す。だから、待ってやってほしいって。」
「征十郎さん…。」
私は、征十郎さんの優しさに胸が暖かくなると同時に苦しくなる。
「あたしさ、あんた達の家とか分かんないけど、美琴と赤司様はお似合いだと思うよ。
香澄さんよりね。」
茶目っけたっぷりに笑う優希に、私も微笑んでお礼を言った。
「ふふ…。ありがとう、優希。」
「よしっ!じゃ、明日からまた宜しくねっ、マネージャー!!」
「はいっ!」
そして2人で、寮への道を歩いて帰った。