第20章 仲直りをしよう
[美琴]
あれから、ずっと自習をしていたけど、どうしても部活が気になって、ノートの隅っこに、昨日の練習メニューや、各選手に必要なテーピングなど、書き留めていて、苦笑した。
そして、ふと目をあげると、部屋は薄暗くなっていて、時計を見ると、夕方6時。
『そろそろ部活も終盤だろうな…。』
私は、持っていたシャーペンを机に置き、両腕をあげて座ったまま伸びをする。
「んーーー…。」
コン コン
「ん?」
私は寮長が様子を見に来たと思い、扉を振り返って立ち上がる。
「はい…。」
やっぱり、ずる休みはよくない。
私は申し訳ない気持ちで立ち上がり、扉をゆっくり開けた。
「寮長ですか?」
でも、そこに立っていたのは、眉を下げ、落ち込んでいる優希だった。
「優希…。」
「…美琴、ちょっといい?」
「…うん……。でも、部活はどうしたの?まだ終わってないんじゃ……?」
「あたしだけ、早めに切り上げてきたんだ。…美琴のこと、気になってたし。」
優希は、少し顔が緩んだ気がして、私も少し笑えた。
「うん。私も、話があるの。」