第17章 保健室
彼女からの拒絶は初めてで、俺は、軽くショックを受けていた。
美琴が日本に来てから、俺だけを見ていた瞳が、今は俺を見ていない。
俺の中の感情が、一気に高まるのを感じる。
これは
怒気なのか?
俺は、美琴の肩を掴み、自分を強引に、彼女の視界に入れる。
「っ!せ、征十郎さんっ?」
驚いて目を見開く美琴の顎を、指で掬い上げ、キスをする。
「んっ!…んんっ……っ…」
美琴が、一瞬驚き身体が固くなった後、俺のキスを拒絶するように、めいっぱい腕を突っぱねてきた。
俺は、その抵抗をキスを深くすることで封じ、彼女をベッドに押し倒した。
唇を離し、美琴と見つめ合う。
「美琴。言いたくないなら、言わなくてもいい。
だけど、俺から視線は反らさないでくれ。」
「………はい。」
赤い顔をして、ボーッと俺を見上げる美琴に満足して、俺は、ベッドから降りる。
「練習が終わり次第、迎えにくるから、美琴は、もう少しここで休んでてくれ。」
「ぁの……はい。」
美琴が了解したのを確認して、俺は保健室を後にした。