第15章 誓いのキス ※R15指定
[征十郎]
美琴がドアを開いた時、俺は彼女を抱き締めていた。
彼女を腕の中に抱いて、感じる。
俺には、美琴が必要だ。
と。
彼女の日だまりのような匂いが、俺の心を軽くする。
戸惑う彼女を連れ出して、俺の部屋へ入れた。
それなりに大きい部屋で、俺は彼女をソファーに座らせる。
そして、俺は彼女の前に膝まづく。
「あ、赤司さん?!座ってください。」
「いや、俺は謝らなくてはいけない。…君を不安にさせた。…すまない。」
俺は、美琴の手を取って握った。
「そんな!赤司さん、やめてください。私、分かっていたことでした。
だから、鳳凰院さんが目の前に現れても、動揺なんかしちゃいけなかったんです。
…ごめんなさい。」
美琴の顔が、泣きそうに歪む。
俺は手を伸ばし、彼女の頬に触れた。
「謝ることはない。
それに…俺は、美琴だけを婚約者だと思っている。
俺は最初から、美琴に決めていた。」
美琴の瞳から、涙がこぼれて、彼女のドレスに落ちる。
俺は、彼女の頭を片手で抱え、引き寄せると、唇に軽くキスを落とす。
「誓う。美琴は、俺のものだ。」
「赤司さん…」
頬を染めた美琴が可愛くて、俺は頬にもキスをする。
「征十郎だろ?俺のいうことは絶対だ。」
彼女の大きな菫色の瞳を見つめると、彼女も俺を見つめている。
俺は、衝動的に彼女の唇をなめた。
ビクッと反応する美琴が、楽しい。
俺は、舌で彼女の唇をなぞり、下唇をはんだ。
そして、彼女の少し開いた口の中へ舌を差し入れ、優しく侵す。
「んんっ!」
美琴は驚いて、目を見開き、俺を見る。
俺も、彼女から視線をそらさない。
2人で見つめ合いキスをする。
その内美琴は、トロンと瞼が蕩けてきた。
俺は、美琴の横に片膝を立て、覆い被さる。
「んんんっ…」
美琴が苦しいからか、俺の胸に添えていた手が、滑り落ちた。