第8章 絶対帝王・洛山
[美琴]
土曜日。
私は、大阪に来ていた。
バスケ部所有のマイクロバスの窓から、大阪城が見える。
『わぁー…お城っ!』
私は、実物の大阪城を見て、心の中で興奮していた。
「美琴先輩、大阪はじめてですか?」
そんな私を、隣に座っていた1年マネージャーが笑って見ていた。
「うん。私、はじめてなの。」
なんか恥ずかしくて、頬を赤くして、また窓の外に視線を向けた。
大阪の高校との練習試合で、私たちが相手校へお邪魔することになったのだ。
マイクロバスが相手校の駐車場に入った。
「よし、もうすぐ着くよ!みんな、今日も勝つ!」
「「「「はいっ!!」」」」
優希の号令で、全員の気合いが入った。