第7章 女子部のマネージャー
[征十郎]
「今週の土曜日、練習試合だ。
今回は2軍を行かせるが、1軍も2名同行させる。」
部活の最後に、1軍の部員達を体育館の中央に集めた。
「根武谷、葉山。行ってこい。」
「うっしゃーーー!試合だぁ!!!」
「りょーかいっ!」
「他の者は、通常通りに練習だ。以上。解散。」
「「「「お疲れさまでした!!!」」」」
部員達は俺に一礼し、1年は体育館の掃除をし始め、レギュラーは、併設してあるトレーニングジムへ移動し始める。
俺は、隣の女子部体育館に視線を移す。
すると、美琴が体育館の扉を開けていた。
美琴は俺に気がついて、ぺこっと会釈する。
俺は、手を軽く上げた。
少しの時間でも、彼女の姿を確認出来て、胸の中が暖かくなるのを感じる。
彼女と見つめあっていると、美琴の後ろから、部長の優希が現れ、何か美琴に話をしている。
そして、美琴が何か返事をかえして、体育館の中に戻ろうとしている。
俺も、ジムへ移動しようと足を向けると、美琴がこっちを振り返って、小さく手を振って、また会釈し、戻っていった。
俺は今のしぐさに、しばらく動けないでいた。
『…赤司征十郎としたことが……。』