• テキストサイズ

~スミレ色の婚約者~【黒子のバスケ☆赤司】

第28章 夏合宿 ③海と山でトレーニング




[征十郎]



俺たちは、山道の歩道をロードワークしていた。

いつもと違う山道、景色。
鳥の囀りも聞こえる。

通りすぎる緑を感じて、俺は目を細めた。

そんな時、ふいに葉山が、俺に声を掛けてきた。



「なぁ、赤司。俺たちも海が良かったよな。」



葉山の言葉に眉を潜め、振り返った。


「あたし達も、この後海でしょ?」


呆れた声をあげる玲央に、ちげーって!と葉山は拗ねた態度を取った。


「入れ替わりになっちゃうじゃん!
美琴ちゃんたちは次、体育館へ移動で、見れないよっ、水着!」



……。



その言葉に、山の空気が5度は下がった。

これは俺たちが山の中を走っているからではない。
マイナスイオンで、冷えた訳でもない。



真っ先にこの事態を感じ取ったのは、玲央で、横を走る葉山の頭をバシンッと叩いた。



「馬鹿なの、アンタ!!」

「いってーーー!ナニすんだよっ、玲央ネェ!!」

「死にたいの!?」



ロードワーク中に不愉快極まりない発言と態度に、俺の怒りボルゲージが上昇していく。



「お前達。」



すべての音が全部消えたような錯覚を起こさせる俺の声に、チーム全員が身をすくませ、その後は誰も発言せず、ロードワークは終わった。


/ 164ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp