第23章 似た者同士
「…私、やっぱり、貴女と友達になって、この学校で生活したいです。
……きっと私は、みんなが思っているより、イイ子じゃありません。
だって、…4人兄弟の末っ子だから、とっても我が儘なんですっ。」
私は、茶目っ気たっぷりに微笑むと、香澄さんも私に微笑んでくれた。
「でも、今から何をしてもダメじゃないかしら。
赤司家の決定を覆すなんて…。」
「征十郎さんと話しましょう。
一生懸命に話せば、優しい征十郎さんなら、分かってくれるはずです。」
「……そうかしら……でも…貴女が言えば、赤司様も頷きそう…。」
そう口にする香澄さんの顔はやっぱり辛そうで、私は、彼女の頬を優しく両側に引っ張った。
「ひゃにっ?!(なにっ?!)」
「私たち、もう友達なんですよね?…貴女なんて、他人行儀です。名前、呼んでください。」
「……美琴。」
「はい、香澄。…よしっ。では、いざっ!征十郎さんです。」
彼女の頬から手を離して、手を繋いで体育館を目指した。