第21章 それぞれの想い
=次の日=
昼休み、征十郎さんに一言お礼が言いたくて、私は征十郎さんのクラスを訪ねた。
教室の前で、どうすればいいのか迷っていると、知らない男子に話しかけられ。
「君、バスケ部の子?」
「あ、いやあの…。…赤司さんは…いらっしゃいますか?」
「赤司?赤司なら、生徒会室に行ったよ?何、用事??」
今、征十郎さんがいないということが分かって、私はすぐに自分のクラスに帰ろうとすると、他の男子に行く手を阻まれてしまった。
「君、春からの編入生でしょ?名前、なんだっけ??」
「え?あの…その…」
男子に話し掛けるのも、部活以外じゃ、ないに等しくて、ドキドキして、うまくしゃべれない。
震える手を握って、頭を下げた。
「あ、あのっいいんですっ。…では。」
そのまま逃げるように、男子を避けて、廊下を早足で逃げた。
『恥ずかしい……。』