第17章 甘やかな朝
[美空]
「んっ……。」
朝の日差しを感じ、私はゆっくり目を開けた。
「んんー………。んっ?!」
私は寝返りをうって、布団に潜ろうとして、驚く。
目の前に涼太がいた。
『涼太?!』
心臓が飛び出すほど、驚いて、私は目を見開く。
「んー…。」
涼太は寝ぼけているのか、私の腰を強い力で抱き寄せてきた。
そして私は、肌に感じるシーツの感触と、涼太の肌に、何も着てないことに気がついて、顔が真っ赤になる。
『昨日っ…………!!』
思い出した。
昨日、私は涼太と……。
顔から火が出る程、恥ずかしくて、もぞもぞと涼太の腕から逃げ出そうと動くと、涼太が、目覚めた。
「美空…っち?んー…おはよ。」
気だるいのか、ゆっくりした動作で、私の動きを封じて、おでこにキスをした。
蜂蜜色の髪の毛が揺れ、同じ色の目がトロンとしている。
…カワイイな…。
私は、昨日の逞しい涼太とのギャップで、ドキドキした。
「ぁ…あの、おはよう。涼太。」
私は気恥ずかしくて、涼太から距離を取ろうとベッドから出ようとしたら、抱きすくめられてしまった。
「涼太っ。んっ!」
涼太の腕の力が強くて、私の声が漏れると、涼太はおでこにおでこを合わせて、視線が絡んだ。
「……美空っち、まだ足んないス。」
涼太が、昨日の夜のような顔をして、私に深いキスをする。
「んっ!……ふぅっ!」
私は、苦しいのと気持ちいのとで、涼太の胸を力なく押していると、
ピリリリリー♪
私の携帯が鳴った。