第15章 オイシイ☆シチュエーション
[美空]
「おらーーー、いくぞ!!」
「「「うぉス!!」」」
次の日。
地元の大学生を相手に、練習試合が組まれていた。
試合は、猛スピードで展開される。
私は、シャッターを切りながら、心の中で応援していた。
『頑張って、涼太。』
「すげーなー、うちのバスケ部は。」
「本当に。」
広瀬の呟きに、私も心からの言葉が出た。
「胡桃ちゃん、無理してない?」
私は、隣で撮影の手伝いをしている胡桃ちゃんに、声をかける。
「大丈夫です。首にアイス巻いてますし、水分補給もバッチリです。
それに…美空センパイの撮影、ちゃんと見ておきたいんです。」
今日の朝、朝食の時に、胡桃ちゃんが現れた。
私と一緒に朝食を食べた後、お願いされてしまったのだ。
『お願いします!私、美空センパイの撮影、じっくり見たいんです。』
『…胡桃ちゃん。でも、昨日倒れたばっかりでしょ?無理したら…』
『絶対に無理しません!もう絶対、迷惑掛けませんからっ!』
胡桃ちゃんの熱意に負け、私は、一緒に練習試合を取材することになったのだ。