第13章 ずっと忘れない。
[涼太]
俺は、思いっきり美空っちを抱き締めた。
「捕まえたっ!」
嬉しくて死にそうっス…。
これ夢じゃないよねっ?!
あまりに嬉しくて、俺の心の中は、スパークしっぱなし。
すると、腕の中の美空っちが、ごそごそしている。
「く、くるしいっ。」
「あ、ごめん。」
俺は腕の力を少し抜く。
でも、絶対離さない。
すると、美空っちも俺の背中に、腕を回してくれた。
嬉しい。
そして、しばらく美空っちと抱き締め合っていると、美空っちがそっと顔をあげた。
あぁ、本当に綺麗な人だな。
俺は、美空っちにキスをした。
最初は軽く、触れるキス。
そして、だんだん深くなっていく。
「ぅっ…んんっ……」
美空っちのくぐもった声が、俺の理性をバンバン崩壊させていく。
美空っちの柔らかい身体、体温と匂い。
うっ…やばい…
「っ美空っち。ごめん。これ以上はだめっ。」
息を切らせながら、唇を離す。
「ぁっ…黄瀬くん…」
「…涼太っしょ?」
一睨みして、美空っちの口許のほくろにキスする。
「あ、……涼太…くん?」
「だめ。涼太っス。」
また、ほくろにキスする。
「……涼太……は、恥ずかしいっ!」
真っ赤になった顔を、俺の胸で隠してしまう。
そして、美空っちの動きが止まった。
「どうしたっスか?」
「なんか…あの…当たってる…」
美空っちは、顔をあげられないのか、俺の胸に顔を押し付けている。
「あーー…俺も、男の子なもんで…大丈夫。今日は手を出さないっスよ。」
美空っちの頭を優しく撫でて、微笑む。
すると、美空っちはおずおずと顔をあげてくれる。
「…涼太。大好きよ。」
そして、笑う。
この瞬間を、俺は一生覚えていたい。
あぁ、こういう時にカメラがあればいいのか…とか、考えながら。
もう一回、美空っちにキスをした。