第4章 黄瀬の学校生活
【涼太】
昨日、誠凛高校に行ってきた。
黒子っちに会いたくて。
高校に入学して、寂しい気持ちを分かって欲しくて。
もしかしたら黒子っちなら、オレの傍にきてくれるかもと思って。
でも、黒子っちは、もう誠凛の選手になっていた。
寂しい。
なんだか、オレだけ取り残されたみたいで。
黒子っちに会えば、気分が晴れると思ったのに、実際は、一人になったと自覚するだけだった。
はぁーっ
ため息をついて教室の窓から、校庭をみる。
すると、熱血にサッカーボールを追い掛ける人を見つける。
『あ、笠松センパイだ。ってことは……卯月センパイも…いた。』
どうやら、3年生は体育みたいだ。
男子はサッカーで、女子はソフトボールをしている。
卯月センパイは、バッターボックスに立ってバットを構えた。
そして、ピッチャーが投げたボールをジャストミートでかっ飛ばす。
ボールが外野左中間へ飛んでった。
「すっげっス……」
『カッコい。』
「おい、黄瀬。問3。」
「げっ!」
オレは、ハゲ眼鏡の中年数学教師に当てられた。
『カッコわる……』