第33章 コートとファインダーの距離
「俺、この前の昼休みで、あー終わったって思ったんスよ?
なのに、胡桃サンがスゲー事言うから、もーーよけい惚れ直しちゃって。困ったっス。」
「?スゲーこと?」
私は、頭にハテナを飛ばし、首を傾げる。
「…全校生徒の写真管理してるってホントっスか?」
「え?!何で知ってっ!?」
驚いて目を見開く私を見て、涼太は得意気に笑って、体育館の床でゴロゴロした。
「ふふんっ、秘密っス。」
「…誰にも言わないでよ?新聞部写真担当者しか知らない秘密なんだから。」
「どーーーーしよっかなぁ~~」
涼太はニマニマ笑いながら、尚もゴロゴロするので、私は涼太のお腹を揺すって抗議すると。
「チューしてくれたら、秘密にする。」
「え?!」
「……俺、これでも怒ってるんスよ。勝手に距離置くっていうし。あれ、絶対別れる気で言ったスね?」
片目を閉じて、私を伺う涼太は明らかに面白がっている。
私は、顔を赤くして、涼太の鼻の頭を軽く摘まんだ。
「なっ?!」
涼太が驚いた拍子に、チュッと頬にキスをした。
「……ごめんなさい、涼太。」
「…………駄目、こっちっス。」
涼太が流し目で私を見つめ、涼太の手が、私の頭を引き寄せる。
唇と唇が重なった。