第26章 優しく包まれた夜 ※R18指定
すると、美空はやっぱり胸を腕で隠してしまうので、俺は、無防備な足を持って開かせる。
「えっ?!ちょ、涼太っ。」
「もう一回。ね?」
俺は美空に笑い掛け、腰を進めた。
「はうっ…も、ムリぃ…。」
美空の瞳から、涙が一筋こぼれたのを、舌で舐めとる。
「ごめん。俺、美空と、もっとシたいっス…。」
美空の柔らかい胸を揉み込み、乳首を吸う。
「ふわぁっ…あんっ…んんっ…」
美空は甘い声をあげて、俺の頭を優しく抱き締めてくる。
「……美空?」
俺は、乳首から口を放し、美空を見る。
すると、美空は俺を見つめて、俺の頭を優しく撫ではじめた。
「……涼太……。…頑張ったね……。」
「!……美空……。」
俺は、愛撫を止めて、ゆっくり身を屈め、美空の胸に顔を埋めた。
美空はそんな俺の頭を、また撫でる。
ふと、涙がこぼれた。
俺は、下唇を噛み締める。
漏れでる涙声。
手で拭っても拭っても、流れ出る涙。
そんな俺に、美空が優しい眼差しで、俺の頭を撫で続ける。
…バレてたんスね…
強がりで、美空を求めてたこと…
ずっと胸の中で疼いていた、“悔しさ”を消化出来てなくて、強がってた
次の試合に勝つために、前を向こうと決意した中に、まだ、弱い自分がいたこと
全部、お見通しだったってわけっスか
試合が終わって、整列の時、思わず流れた涙。
会場を後にするとき、胸が軋んで、また涙が出そうになっていた。
だけど、俺が泣くわけにいかない。
そう思う一心で、涙を止めて、前に向かって歩いた。
でも
やっぱり
悔しい。
青峰っちに、勝ちたかった。
「……涼太。WC。応援してるよ。」
美空の瞳が潤んでる。
俺は、美空の頬に手を添え、優しいキスを落とした。
「…ありがとう。」
美空の、俺を包んでくれる優しさが嬉しくて、俺は、美空に笑いながら泣いた。