第5章 5人目
赤ずきんはドアを叩きました
「どなた?」
そう言って女の人がドアを開けました
『お婆様!薬を届けに来ましたの!!』
「おやまぁ!赤ずきんじゃないの!いらっしゃい」
『お風邪は大丈夫ですの??』
「ええ、大丈夫よ……それより聞いて欲しいの」
『どうしましたの??』
「実はね、赤ずきん……」
『ん?』
「貴方のお母さんは……」
その時、ガラスが割れる音が聞こえた
(ガシャーン
『な、何!?』
「ついに来てしまった……」
『お、お婆ちゃん……どうなってるの?』
「赤ずきん!逃げるのよ!!」
『な、何でですの!?』
「貴方はあの人の本当の子供じゃないの、そして今、貴方は狙われてる!良いから早く!」
私はお婆ちゃんの目を見て冗談では無い事が分かった
『お婆ちゃんは!?』
「私は大丈夫、信じて」
『分かりましたわ……』
「元気でね……」
私は裏口から逃げた
「何とか逃げたようね……」
[おい、クソババア?何逃がしてんだよ?]
「お前……」
お婆ちゃんの目の前に居たのは
狼の着ぐるみを着た
赤ずきんの母?でした
[何のために、赤ずきんにお前の家に行かせたんだよ?]
「それは……」
[お母さんだって、恨んでるよね?あいつの親の事]
「そうだけど……」
[あのバカ夫婦のお陰でうちらは借金、そして私達のお店は倒産……お父さんも死んじゃった……だからアイツの子供を奪って
懲らしめて野郎と思ったのに……]
「それは、そうだけど……やっぱり行けないよ?」
[うるせぇ!黙れクソババア!お前には逃がした罰を与えねーとな……]
そう言うと外から5人ぐらいの男が銃を持って来ました
「私は構わないが、これだけは言わせて貰うよ殺したってそれは変わらない
1回やってしまった事は後には戻らない」
[黙れ!!]
そう言い放つと
一斉に男の人達が銃を撃ちました
「赤ずきん……お前はきっとたどり着ける……真実へ……」
そう思ったと同時にお婆ちゃんの体は吹っ飛びました
一方赤ずきんは
森の奥へと走って行きました
赤ずきんは涙を堪えて
先へ先へと進みました
このあと、赤ずきんがどうなったのかは
誰にも分からない……
[5人目END]