第9章 ライバル、梟谷学園
「ヘイヘイヘーイ!音駒ひさしぶりだな。1年生は初めまして!梟谷にようこそ。」
さっそくテンションの高い木兎に迎えられて、音駒のメンバーもあいさつをする。
「よろしくおねがいシャス!」
みんなの陰に隠れて様子をうかがっていた凪沙だったが、体育館に入ってすぐに木兎に見つかってしまった。
「なあなあ、新しく入ったマネージャーってお前のこと?」
大きな声にびっくりした凪沙は数歩後ずさる。
そのたくましい身体さえも、彼女にとっては恐れの対象だった。
(でかいし。こ、怖い……。)
凪沙がそう思ったとき、助け舟を出したのは後ろからやってきた黒尾だった。
「はいはい、木兎ストップー。うちの大事なマネちゃん怖がらせないでね。」
「なんだよー。ちょっと仲良くなろうと思っただけじゃんかー。」
木兎は面白くなさそうに文句を言う。黒尾は凪沙の背後に立って、彼女の頭に顎を乗せた。
「ナギは男に対して人見知り激しいからね。こんなことできるのも同じチームでも俺だけ……おーい、夜久!」
冗談やめてください、と凪沙は黒尾の頭をどけようとする。
「なになに、どしたの?」
呼ばれた衛輔が3人のところへやってきた。