第7章 新生活
「うわー!マネさん、ほんとに小っちゃいですね!!」
休憩時間、みんなが談笑している体育館で、ひときわ大きなリエーフの声が響いた。
「きゃあああーーー!きゃーーーっ!降ろして!!!」
2メートル近い身長の彼に突然持ち上げられて、
凪沙はびっくりして悲鳴をあげた。
「大丈夫ですよー落としたりしませんから。
ていうか予想以上に軽いですよ、ちゃんと食べてますかー?」
リエーフは凪沙を「たかいたかい」した状態のままぐるぐると回った。
傍にいた犬岡と芝山は止めようとするが、テンションの上がったリエーフは止まらない。
「なにバカなことやってんだよ!あぶねえだろうが!!」
「いたい!」
衛輔に飛び蹴りされて、リエーフはバランスを崩す。
その拍子に、凪沙は遠心力によってポーンと放り出された。
「きゃぁーっ!」
悲鳴を上げながら床に叩きつけられる衝撃に備え、凪沙は目をぎゅっとつむった。
ドサッ
しかし、どこも痛くない。何か温かいものに包まれた感覚を覚える。
「ぎりぎりセーフ!」
凪沙がそっと目を開けると、犬岡はそう言って彼女を抱いた腕の力を弱めた。
「お、犬岡ナイスキャッチ。」
「すげーすばやいのな、お前。」
「すごいすごい。」
皆が寄ってきて口々に彼を誉める。
「大丈夫ですか?」
犬岡から声をかけられて、凪沙はようやく彼の胸から離れた。
「う、うん。ありがとう。」