第7章 新生活
「山本は今年こそ女子マネ獲得するって1年のクラス回ってる。
ひとりじゃ心細いからって福永連れて。」
孤爪の説明に、黒尾と衛輔は呆れる。
「勧誘するならマネじゃなくて有望な選手連れて来てほしいな。今年は何人入ってくるかな。」
「どうかなあ。去年までのスパルタのイメージ一掃したし、
もう少し増えてくれるといいんだけどな。」
そこまで言って、黒尾は良いこと思いついた、と手を叩いた。
「やっくんの妹マネージャーにすればよくね?」
「どうかなあ。とりあえず黒尾のことはあんまり好きじゃなさそうだったからなー。」
衛輔が冗談ぽくそう返すと、黒尾は傷ついた表情を作る。
「クロ、なにしたの。」
「何もしてないって。ケーキあげただけ。」
「ていうかあいつ、もともと水泳部だったから音駒でもそれやるんじゃないかな。」
衛輔がそう言うと、二人はふーん、と返事をしてその会話は終わった。