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【ハイキュー】ギフト

第7章 新生活


もっと凪沙と話したいという黒尾をなんとか追っ払って、衛輔は家に入った。

黙々と荷ほどきをしている彼女のそばに寄る。

「広子さんは?」

「お昼買いに行った。」

「ふーん。」

衛輔は、少し考えてから口を開く。

「凪沙、さっきのは俺のクラスメイトで部活仲間。
見た目あんなんだけど、怖くないから。」

「おっきいし、悪そうな顔してたけど。」

手を止めずに、凪沙はつぶやく。

「まあなー。それは否定しないけど。でも、話の途中であんな態度良くないぞ。」

軽く注意されて、彼女は言い訳をする。

「だって、あの人苦手だな。」

「お前の外見のこと言ったからだろ。」

凪沙は黙ってうつむいた。

「あのなあ、気持ちは分かるけど、仕方ねえじゃん。。お前普通に美少女なんだから。」

衛輔の開き直った口調に、凪沙は睨みを利かせる。しかし彼はひるむことなく言い放つ。

「もったいねえよ。せっかく恵まれた容姿なのにさ。なにオドオドしてんの。
すくなくとも、俺はかわいいと思う。
それが誰の血だろうが関係ないね。
だって俺、凪沙の親は広子さんしか知らねえもん。」

「何も知らないくせに。」

突き放すような冷たい声。それに対して、彼はまっすぐに答えた。

「ああ。知らねえよ。知らねえから言ってんじゃん。
お前の過去なんてな、俺を含め、これから出会う人間は誰も知らない。
お前の頭の中にあるだけだ。」

「うるさい。そういうの聞きたくない。」

衛輔は、そう言って手で耳をふさごうとする彼女の腕を掴んだ。

「ちゃんと聞けよ。」

「離して。」

まっすぐに見つめてくる瞳から逃げるように凪沙は視線を泳がせる。
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