• テキストサイズ

【ハイキュー】ギフト

第7章 新生活


「あんだよ?部活は午後からだろ?」

「やっくん今日引っ越しって行ってたから、手伝ってあげようと思って。」

電話の向こうで黒尾は楽しそうな声を出した。

「は?引っ越すの俺じゃねえし。」

「細かいことは気にしない。もうおまえんちのすぐそばだからさ。
お土産もって新しい妹ちゃんとお母さんにご挨拶させて。」

黒尾のニヤニヤした顔が目に浮かんだ。

「お前なあ……。」

ため息をつきながら、衛輔は玄関に向かう。

「よう。元気に引っ越しやってる?」

ドアを開けると、そこにはちょうどやってきた黒尾の姿があった。

「……お前、ちょっと待て。ストップ。」

衛輔はそう言って黒尾の腕を引っ張って庭の方に回らせる。

「あ、これ。みなさんでどうぞ。」

黒尾にケーキの箱を渡されて、衛輔はそれを受け取る。

「どうも……て、そうじゃなくて、いきなり来るなよ。」

「え、でも妹ちゃん新学期からうちの学校なんでしょ。
緊張してるかもしれないから、こんな優しい先輩がいるよって安心させてあげなきゃ。」

家の中の様子をうかがおうとする黒尾を、衛輔は慌てて阻止しようとする。

「なんで邪魔すんの。」

「まあ聞け。たぶん凪沙はお前みたいなタイプ苦手だと……」

「衛輔ー。こんなとこでなにしてんの。これどうしたら、いい……か、な……」

衛輔の背後、庭につながる窓を開けて、家の中から凪沙が姿を現した。

手には、さっきとちゅうまで組み立てた家具。

そして、黒尾の姿を目にして、固まっている。

(誰だろう。でかいし、なんか、怖い……。)

そんな彼女の様子をみて、衛輔は急いで駆け寄る。
/ 188ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp