第13章 ずっと一緒
「とにかく冷やさないと。」
何事かと裏から出てきた黒尾が、凪沙を抱きあげようとするがそれを遮ったのは衛輔だった。
「触んな。俺が連れてく。」
黒尾よりずっと小さな体で、凪沙を横抱きに持ち上げる。
「研磨、同じクラスだろ。あと頼んだぞ。」
黒尾の隣りにいた孤爪に目くばせする。
「うん。わかった。」
視線を浴びながら、凪沙は衛輔に抱きかかえられたまま教室を出た。
「クロ、追いかけなくていいの?」
「そんなことしたら夜久に一生恨まれるだろうな。」
「だよね。」
幼馴染ふたりは、顔を見合わせてやれやれとため息をついた。