第13章 ずっと一緒
「あ、やっぱりお前出るんだ。」
部活の合間の雑談で、ミス&ミスター音駒について話題が出た。
「やっくんも1年の時出たよね。」
黒尾が思い出したように言う。
「え、ミスター音駒候補?」
「いんや、ミスの方。やっくん1年の頃はもっと華奢で本当に女の子みたいだったから、ちょっとメイクすればイケんじゃね?ってことになって。あれマジかわいかったから、卒アルに載せようぜってみんな言ってる。」
「まあ結局当日バレて失格になったんだけど。」
「なんで衛輔は誇らしげなのよ。」
凪沙が呆れながら衛輔の腕を小突いた。
「確かリエーフも出るってはりきってたな。」
「あー、リエーフ……確かにイケメンだもんね。」
「黙ってればな。」
黒尾の指摘に、二人は苦笑い浮かべる。
「それはそうと、クラスの出し物は何するの?」
「喫茶だって。服飾部の子たちが衣装作るのはりきってる。」
凪沙が説明すると、黒尾がニヤリと笑ってちょうど通りかかった研磨に顔を向ける。
「てことは、同じクラスの研磨も喫茶か。おいおい、大丈夫か?」
「俺は、裏方しかしないから……。」
ぼそりと答えて、孤爪はそそくさとその場を離れてしまう。
「俺たち三年は、みんな受験でやる気ないから展示だし。喫茶遊びに行くからな。」
「そうそう。どうせ学園祭の日は練習もできないしな。」