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【ハイキュー】ギフト

第11章 再会


チャイムが鳴ると、凪沙は一目散に玄関に向かった。

「衛輔!」
「おお。おまたせー。ていうか腹減ったー。何か食うもんある?」

衛輔は凪沙が何か言おうとするのも聞かずにリビングに直行した。

「お、おにぎりあんじゃん。やったー。」

先ほど黒尾の母親が持たせてくれた夜食を見て喜ぶ衛輔。

孤爪は冷蔵庫からお茶を出して衛輔の前に置く。

「サンキュー。」

凪沙はその様子を見守るしかできない。

(聞きたいこといっぱいあるのに……。)

一人悶々としている凪沙に気付いた孤爪は

「俺、部屋でゲームする。クロ、対戦付き合って。」

そう言って黒尾を連れて自室へ籠った。

二人きりになったリビングで、衛輔はモグモグと食事を続ける。

「……会ったの?」

凪沙が意を決して聞いた。

「ああ。予想通り家の前で待ち伏せてたよ。安心していいぞ。もう来ないって約束してくれた。」

「そうなんだ……。」

凪沙はそれ以上何も言葉が出てこなかった。

「凪沙」

おにぎりをごくりと呑み込んでから、衛輔が名前を呼ぶ。

「……なに。」

衛輔がすっと立ち上がって、彼女の前に立つ。

右手を伸ばして、彼女の前髪越しに例の傷跡をなでる。

「もう何も心配すんな。あの人と話をしても、俺は何も変わってないよ。」

それから、にっと笑って髪をくしゃくしゃに撫で回した。

凪沙はやめてよ、と軽く抵抗してから声を漏らす。

「本当に?」

上目遣いの眼差しには、不安が混じっている。

「うん。本当。」

しっかりと見つめ返して答える。

「よかった……。」

凪沙は一歩衛輔に近付いて、彼の胸に顔を埋めた。

突然のことに衛輔は身動きが取れなくなる。

「え、ちょ、どうした?」

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