第11章 再会
「こんなとこで何してんの。」
庭に続く縁側で、凪沙は一人座っていたら、孤爪が声をかける。
「庭、お花いっぱいでキレイだね。」
真っ暗な庭にぼんやりと浮かび上がる花々を眺めて言う。
「ああ、母さんがそういうの好きだから……。」
「そうなんだ。」
「……寒くないの。」
「うんへーき。お風呂ちょっとのぼせちゃったし。外気持ちいよ。」
凪沙が膝を抱えて目を閉じる。
「衛輔……大丈夫かな。」
孤爪は隣に腰を下ろした。
「うん。クロがさっきメールしてたみたい。あとで返事あったかきいてみたら。」
「……うん。」
それ以上なにも言わずにただ二人は夜の庭を眺めて座っていた。
(一人にしてあげたほうが良いのかな……。
でも、目を話したら夜久さんのとこ行っちゃうかもしれないから見張っとけってクロ言ってたしなあ。)
先ほどの黒尾の家での彼女の異変には気付いていた。
そっと凪沙の横顔に目を向ける。
(お母さん、入院してるっていうし、ナギもいろいろ大変なんだろうなあ。)
孤爪がそんなことを考えていたら、部屋の中から黒尾の声がした。
「なーちゃん、今から夜久がこっちくるよ。」
「え。」
室内の明かりに凪沙の顔が照らされる。
黒尾は携帯の画面を彼女に向けてにやりと笑った。