第11章 再会
翌日、凪沙はいつも通り衛輔とともに朝練の時間に登校した。
凪沙は家から出ることを渋ったが、家に一人でいるより人の目がある学校の方が安全、と衛輔が説得して準備させた。
凪沙のいない部室で、黒尾は早速話を始める。
「昨日あの後なにもなかった?」
「ん、後付けられたっぽい。」
衛輔の返事に、黒尾は声が裏返る。
「は、まじで。」
すぐそばで聞いていた孤爪もそっちを向く。
衛輔は昨日のことをひととおり説明してから
「そういうわけだからさ、今度あの人見かけたら凪沙じゃなくて俺に教えて。」
「了解。なーちゃんとあの人に何があったか夜久は知ってるのか?」
「知ってるけど。それは聞かないでやってくんない。多分凪沙は知られたくないと思うから。」
衛輔が苦笑いでそう頼むと、二人は不思議そうな表情を浮かべながらも頷いた。
それから黒尾は何かを思い出したように孤爪に話をふる。
「研磨、そういえばお前んちさ……。」