• テキストサイズ

【ハイキュー】ギフト

第11章 再会


「へー、じゃあ昨日からモリスケナギスケは二人きりなんだ。」

黒尾が紙パックのジュースをストローで音を立てて飲む。

「そ。弁当とか洗濯とか色々大変なんだよ。サボると凪沙怒るし。」

「あー。なーちゃんそういうの厳しそうだもんね。」

やれやれとため息をつきながら弁当を広げる衛輔。

それを覗き込んで黒尾が口を開く。

「今日の弁当はやっくん作?」

「そだよ。凪沙の分も俺が作ったからな。て言っても、残り物と冷凍がほとんどだけど。」

彼の彩の良い弁当を眺めて黒尾は感心した。

「夜久の女子力がどんどん上がって行く……。」

衛輔自身はそんなこと気にする様子もなく、満足そうに自分の作ったお弁当を食べ始めた。

「二人きりで大丈夫?」

「ん?別に不自由してることはねえよ。
掃除や洗濯はまとめてもいいし、ごはんだっていざとなれば買ってくることもできるし。」

「いや、そうじゃなくてさ。なーちゃんとそんな長時間二人きりで、夜久は我慢できんのかなって。」

「あ?」

衛輔は眉間にしわを寄せる。明らかに不機嫌になる。

「やっくん時々、なーちゃんのこと男の目で見てるときあるよ。自覚ないの?」

「……自覚もなにも、そんなん凪沙に知られるわけにはいかねえよ。」

「あ、なんだ自覚はあるんだ。」

誘導尋問だったか、と衛輔は小さく舌打ちする。

「凪沙には言うなよ。俺はあいつとどうするつもりもない。
犬岡のことだって、本人がしたいようにすればいいって言った。」

「マジで。」

黒尾はさすがに驚いて目を見開いた。

「でもさ、正直やっくんは自分で我慢できると思ってんの。」

「できるできないじゃなくて、するんだよ。いざとなったら部屋閉じこもってでも耐えてみせるよ。」

「ストイックだねー。あ、じゃあさ、そんなやっくんのために俺たち遊びに行ってあげようか。
みんないれば変な気も起こらないでしょ。」

「一応兄妹水入らずなんで邪魔しないでくれ。」

「なんだよ結局楽しんでんじゃん。」

少し恥ずかしそうにしながらも嬉しそうな衛輔の顔をみて、黒尾は安心した。
/ 188ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp