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【ハイキュー】ギフト

第11章 再会


宮城遠征から戻って数日後、凪沙は思いもよらない告白を受けた。

「手術?」

その日は珍しく家族そろって家で夕飯をとっていた。

「心配ないのよ。ちょっと腫瘍を取ってくるだけ。」

「そう、危険な手術じゃないから安心して。うちの病院だか
ら、いつでもお見舞いに来れるよ。」

あくまで明るい口調の大人二人。




凪沙の母が、来週手術を受けるというのだ。

衛輔の父は総合病院の勤務医で、そこに入院するという。

衛輔は、ついにきたかと思って、隣に座る凪沙の横顔を見る。

その表情は、驚いてはいるが、まだ事態の重大さが把握していないようにもとれた。


「それで、広子さんが入院している間、僕も夜勤や出張が立て込んでて、家にいない日が多くなりそうなんだ。
二人に家のことを任せてもいいかな?」

凪沙と衛輔は顔を見合わせる。

「衛輔がちらかさなければね。」

「凪沙がわがまま言わなければな。」

同時に二人が憎まれ口を叩けば、大人たちは声を出して笑った。

「息ぴったりね。頼んだわよ二人とも。ケンカしないで仲良くしてね。」






「衛輔、知ってたんでしょ。」

部屋にやってきた凪沙に指摘されて、衛輔はギクリとした。

「詳しいことは俺も知らないよ。ただ、そういう予定があるって言うのは聞いてただけ。」

「再婚を急いでた理由って、これのことだよね。」

衛輔は何と答えていいのか分からず、黙って頷く。

「大丈夫だよね……。」

不安そうな表情をする凪沙。

「一週間くらいで退院するって話だしさ。大丈夫だよ。」

それでも、手術のあとには長期入院や治療も控えている。
そう聞かされていたが、今はただ祈るしかないのだった。

「うん……。」

「ほら、明日も朝練あるんだからな!早く寝ろよ。」
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