• テキストサイズ

【ハイキュー】ギフト

第10章 宮城遠征


「え……。」

凪沙は何も答えられずにその場に固まる。

犬岡もそれに合わせて立ち止まる。

「ただ、俺が言いたかっただけなんで。返事とか、いいです。
これまで通りでお願いします。急にこんなこと言ってすいませんでした!」

そう言って彼は凪沙にぺこりと頭を下げた。

「そんな……私こそ、なんかごめん。こういうの慣れてなくて、なんて言っていいかわからない……。」

申し訳なさそうに凪沙が声を漏らす。

「いいんです。でも俺、今は全然敵わないっすけど、絶対夜久さんより良い男になってみせますんで。
見ててください!」

「え。なんで衛輔?」

突然話が意図しない方向に向かって、凪沙は不思議に思う。

「黒尾さんが、凪沙さんのこと好きだったら、夜久さんを超えなきゃだめだって言ってたんで!」

「なにそれ……。」

また黒尾さんが適当なこと言ったな……。と、凪沙は内心呆れて曖昧に笑っておいた。

「夜久さんかっこいいですよね!しっかりしてて、なんだかおしゃれだし。
バレーも上手くて。俺もあんな男になりたいっす!」

そしたらもう一回告白しますんで、と付け加えて犬岡はニコニコと笑った。

いつもの調子に戻った犬岡に、凪沙はほっとする。

「帰ろう。あんま遅くなるとみんな心配するよ。」

凪沙に促されて、犬岡ははい!と大きな声で返事をした。

(衛輔が気を付けろって言ってたのってこのことか……。)

気になっていたことが解決して、凪沙は気持ちが軽くなった。
/ 188ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp