• テキストサイズ

【ハイキュー】ギフト

第10章 宮城遠征


黒尾と孤爪の会話に気付かない山本が話を進める。

「まさか芝山の口からそれが聞けるとは思わなかったが、その通りだ。
凪沙は確かに美少女だが、エロスが足りない……。
もし烏野にそれを補って余りあるような女子マネがいたら……俺は!俺は許さん!!」

荒ぶる山本が窓を開けて何かを叫ぼうとしたとき

「買い出し行くけど、ほしいものあるー?」

凪沙が大部屋に入ってきた。

空気を読んだ犬岡と黒尾が、二人がかりで山本を取り押さえて口をふさぐ。

何を叫ぼうとしたのか分からないが、凪沙に聞かせるべき内容ではないことは間違いなかったからだ。

「な、なにしてんの……?」

「知らない。遊んでんじゃない。」

山本に抱きつく犬岡と黒尾という異様な光景を目にして、凪沙が引き気味に聞けば、孤爪が知らん顔で答えた。

「ナギ、買い出し行くなら電池買ってきて。ストップウォッチのがきれてた。」

孤爪が指示すると、黒尾が山本を押さえつけたまま声を上げる。

「あと、靴下買ってきてくれ。山本がずっと同じの履いてて臭いんだわ。」

「黒尾さん!それ内緒だって言ったじゃないすか!」

山本は顔を赤くして恥ずかしがる。

それからみんながあれこれと頼んできたので、凪沙はそれをスマホにメモしながら聞いた。

「うーん、結構大荷物になりそうだなあ。コーチに車出してもらおうかな……。」

「コーチ、さっきお酒飲んでたから運転できないと思いますよ?」

芝山がそう言うと、犬岡がすかさず手を上げる。

「はいはい!じゃあ俺一緒に行きます。荷物持つの手伝いますよ!」

夜道に一人では危ないですし、とさっそく上着を着て準備を始める。

“犬岡には気を付けろよ。”

凪沙は、衛輔の言葉が脳裏をよぎったが、幸か不幸か衛輔の姿は見当たらない。

(犬岡は良い子なんだから。黒尾さんとは違うよ。)

犬岡に、さあ行きましょう!と促されて凪沙は一緒に買い出しに出かけた。
/ 188ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp