第10章 宮城遠征
衛輔と凪沙が家に帰ると、誰もいなかった。
「あれ?今日おじさん当直だっけ?」
「そういえばそうかも。広子さんも出張だっけ。」
二人は電気をつけて冷蔵庫に張られたカレンダーを確認する。
「……夜ごはんどうしよっか。」
「腹へったなー。なあ、野菜炒め作ってよ。」
「えー、材料あるかなあ。」
凪沙は冷蔵庫を開けて中身を確認する。
「じゃあ私夕飯作るから、衛輔お風呂準備して。」
衛輔はおっけーと返事をして、風呂場に向かった。
(そういえば、二人きりって一緒に住むようになって初めてだな……。)
エプロンの紐を結びながら、凪沙はそう思った。