第6章 ハロウィンの夜に
(すごい誕生日になったなぁ…)
散々な一日だった気がする。
キャリーとアニーの二人にこっぴどく怒られ(主にキャリーだが)、原因の張本人はついぞ現れず仕舞い。
セブルスいわく、問い詰められるのを後回しにしたくてポリジュース薬でも飲んでいる可能性が高く今日はもう捕まえるのは無理だ、ということになった。
同室であるセブルスに後は任せることにしてキラたち三人は自室へ戻った。
着替えやシャワー、歯磨きを終えたキラはベッドに横たわり、誰からのものか分からない誕生日プレゼントを掲げるようにして眺めた。
「綺麗…」
ガラスの滑らかなカーブを指でなぞる。
使い方がよくわからず、キラはどうしたものかと頭を悩ませた。
贈り主が誰か分かれば、教えてもらえるのだが。
ベッドサイドに置いたバースデーカードを手に取ってもう一度読んだ。
"Happy Birthday to you."
見覚えはある気がしている。
「…はぁ。ダメだ」
思い出せない。
キラはカードとプレゼントを置いて、ベッドの中にもぐりこみ枕元の本を開いた。
がしかし、三行も読まない内にキラは夢の中へと落ちて行った。