第18章 背伸び
「盾の呪文は、名前の通り…自分の周囲に盾を作って身を守るためのものだ。つまり…実践での特訓が必要になる」
「と、いうことは…」
「俺からの攻撃を防ぐ特訓だ」
「えっ…」
キラの顔から表情が抜け落ちた。
まさに絶句、だった。
「危険から身を守るための呪文だ。スピードと正確性が重要になる…。この呪文を習得したいのであれば、実践しかない」
当然、危険な実習訓練となる。
後一年もすれば、キラたちは授業でこの呪文を習うはずだ。
別に今すぐに、自分に教えを請う必要は無い。
セブルスはそのことも伝えたが、キラはしばらく考えた後、顔を上げて迷いのない目でセブルスを見上げた。
「教えて下さい。セブルスが卒業するまでに、できるようになってみせます。あの呪文も――」
「フン。言うだけは容易い…覚悟しておけ」
「はい!」
キラの顔からパァッと笑みがこぼれる。
しかし二日後、実際の特訓が始まった途端にキラは後悔することとなる。