第10章 五つ子と運動会
【火神】
「目指すは優勝っスよ~」
「パン食い競争いつだ?」
「そんなものはないのだよ…」
「お弁当何かな~?」
「さっき朝ごはん食べたばかりですよ」
俺の目の前で相変わらず個性バラバラの五つ子が会話していた。
おそらく話のテーマは運動会なんだろうが…
「真ちゃ~ん!!かけっこ負けないからな!!」
「今日のおは朝の占い、俺は1位だからな負けるはずなど無い」
「かけっこで負けたら~罰ゲームな!!そうだな~一回パシるとか!?」
「いいだろう…負けるのは高尾だがな」
高尾も相変わらずだな…次男に勝負して勝ったこと無いのにめげずに挑むなんて…
「いててっ!!痛いっス!!」
「リレーで負けたらシバくからな!!」
「もうシバいてるっス…」
長男と笠松はリレーの練習が上手くいかずシバかれていた。
「テツくん!!借り物競争頑張ろうね!!」
「はい」
「つーか、テツに貸してくれる人とかいるのかよ…」
「大ちゃん!!」
「耳元で叫ぶな!!」
五男を挟みながら三男とさつきは言い争っていた。
ポリポリ…ムシャムシャ
「せんせ~これ開けてよ」
「今から運動会!!お菓子くってんじゃねぇ!!」
四男はどこから持ってくんだよ…
こうして五つ子たちの運動会が幕をあけた。