第5章 父と五つ子のお留守番
「ママは居なくていいんッスか?」
「あぁ。ママが居ないからこその緊急会議だ」
「めんどくせー」
長男と三男が横でグチグチ言っているのを無視して僕は話始めた。
「始めに言っておく、今日の昼のメニューが決まっていない」
「え!?ママ用意してないんスか!?」
「パパがなんとかするって言ったからね」
「じゃあ、なんか作れるのかよ」
「パパは作るなんて言ってないよ。大輝」
「お昼ないの~?」
「僕はマジバのバニラシェイクがいいです」
「勝手に決めるな。テツヤ」
「真太郎君はなにがいいんですか?」
「ふん…俺はだな…」
次男が言おうとすると長男と三男が口を挟んできた。
「肉っスよ~肉!!」
「肉!!肉がいいぜ!!」
「ん~じゃあ僕、まいう棒ね~」
「敦、それはご飯にはならないのだよ」
五つ子をよそに僕はキーボードを打ち込む。
「パパ1人で君たちを連れて外食なんて、仕事するより嫌だよ」
パソコンの画面を五つ子に見せながら言う。
「昼はピザにしよう。この中から選べ」
パソコンの画面にはピザのメニューが書かれていた。
まぁ、俺が好きなものばかりだけど。
「え~これだけっスか!?ママは広告見せてくれたっスよ!!」
「涼太、要らないなら君は食べなくてもいい」
「食べるっス…」