第3章 赤司家の日常
「あいつらが行きたそうな所も選んどきなよ」
「分かってるけど、やっぱり動物園なのかな?」
「定番といえば定番だな」
「んーーっ……難しい」
「まだ時間もあるし、ゆっくり考えなよ」
「うん…」
「旅行の話はこれで終わり」
征くんは私から雑誌を取り上げるとソファーの上に押し倒した。
「今日、なんで早く帰ってきたか分かる?」
「えっ……仕事が早く終わったからじゃないの?」
「美奈子とこうしたかったからだよ……」
征くんは私の耳を甘噛みした。
「んっ……せ、征くん」
「美奈子に会いたくて、触れてたくて……早く帰って来たんだよ」
「征くん………」
征くんは私と額を合わせた。
「いいよね?美奈子……」
「う、うん…」
私は照れながらも頷くとそのまま征くんに身を委ねた。
2人の甘い甘い夫婦の時間の始まりはこれから。