第7章 心の高鳴り
____帰り道____
「すっかり暗くなっちゃったね。」
緑間「……あぁ。」
スマホを取り出して時間を見た。
…8時25分。
あそこに長くいるつもりはなかったが
一匹の犬(黄瀬くん)のせいで
だいぶ時間が過ぎてしまったのだ。
(後で呪いのメールを送ってやる〜!)←どっかで聞いたことあるような…笑
「…緑間くん。」
緑間「ん?どうしたのだよ。」
「なんかごめんね?…緑間くんの家遠いのにわざわざこっちに来てもらって…。それに家まで送ってもらったりしてくれて。」
緑間「別に構わないのだよ。それにお前は今日部活あっただろう?それなのに俺が無理やり誘ってしまっからな。だからお前が謝る必要はないのだよ。」
緑間くんって、たまに優しいよね。
いつもは無愛想なのに。
こういう時だけかっこよくならないでよね。
私は心の中でそう思っていた。
緑間「それにこんな夜遅く女一人歩かせるわけにはいかないのだよ。」
「………ありがとうね。」
緑間「そういえばずっと気になっていたことがあるのだよ。」
…え?ずっと気になっていたこと?
私は頭かしげながら緑間くんの方を向いた。
緑間「……どうして名前呼びではないのだよ。名前呼びでもそろそろ構わんだろう。」
「………………嫌だ。」
緑間「……どうしてだ?昔は普通に名前呼びだっただろう?」
……確かにそうだ。
中二までは普通に〔真くん〕って読んでいた。
だけどある事情で名前呼びはやめて
[緑間くん]っと言うようになった。
今だったら読んでみてもいいかもしれない。
…でも昔みたいなことがあればどうなるの?
そう思うとつい名前では言い出せなくなってしまうのだ。
緑間「過去のことは捨てたのだろう?だったら今を考えろ。」
そう緑間くんが言った。