第13章 【第十二章】キセキの領主 =黄瀬=(憤り)
長く緩くウェーブがかかった、栗色の髪の毛をなびかせ笑う彼女は、頬に若干の幼さを残しているが、数年後、絶対に美人になる。
俺は、フッと笑って姫を見た。
「…私は女で、この国の為に戦場に行くことも、戦うことも出来ない。でも、この国には、頼れる領主たちがいる。
民を守り、国を守ってください。
私たち王族は、そんなあなたたち領主を支えるから。」
見上げる美桜姫の顔を,
横目で見て微笑む。
「…美桜っち姫。これから宜しくお願いしますっス。」
そっと彼女の手をとって、親愛なるキスを手に落とした。