第12章 【第十一章】キセキの領主 =黄瀬=(激戦の海)
それから、黄瀬と火神の両者が手当たり次第、相手の船を沈めていった。
そして、他の隊長陣(レギュラー)は、敵隊長の船につけ、マンツーマンで対峙していた。
「うりゃーーーっ!!」
キーーーン
キンキンキン
日向の船に、笠松が乗り込み、剣を交えていた。
『やっべーーっ!!やっぱ個々のスペックが違いすぎねぇ?!』
日向は、なんとか笠松の攻撃を受けているが、防戦一方でこのままでは殺られそうだ。
「助太刀します。」
「どわっっ!!く、黒子?!」
日向が気がつくのと同時に、黒子は笠松の背後に回り、首に剣を突きつける。
「降参してください。」
「い、いつの間に?!…くっ……そぉー…」
あっという間の出来事だった。
笠松は顔を悔しそうに歪ませ、膝をついた。
「先輩、後は任せます。」
黒子は笠松の腕に鎖を巻き、転がせる。
そして、すぐに日向の船から離れ、戦場の海を小さな船が走り抜ける。