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~囚われの姫君~【中世☆黒子のバスケ】

第9章 【第八章】悲痛の想い


『美桜は、この国のお姫様なんだから。従っちゃだめ。』


桃井は、新しく流れる涙を美桜のために流した。
しかし、美桜は自分の為に泣いてくれる親友をどうしても救いたかった。


『分かりました。この髪の毛を置いたら、さつきちゃんを解放して。約束…して。』

『大丈夫、約束は守るよ。』


美桜は一歩ずつ柵に近づき、髪の毛の束を外に置いた。


『はははははははは!!!!』


総一は笑いながらさつきを地面に這いつくばらせ、髪の毛を手に握らせた。


『この髪を持って、各領主のもとへ行くがいい。そして伝えろ。《“戦う準備は出来ただろう。他国と戦い領土を奪え。逆らえば、姫の首を切り落とす。”》と。』


総一は勝ち誇った顔をして2人を見下していた。
そこに、美桜が鉄格子を掴んで、力一杯さつきに訴える。


『さつき!私のことはどうなってもいい!皆に伝えて!この国の為、国民の為に、この人を捕らえてって!お願いよ!!さつきぃーーー!!!』


桃井は、総一が他の階に待機させていた傭兵に両腕を掴まれ、城の外に出された。



最後に総一は、こう言った。


『いいかい?私に刃を向けたら、確実に姫を殺す。いいな。確実に殺す。』




桃井は、唇を血が出るほど噛み締め、王都を出た。



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