第1章 晩飯*月島蛍
翌日の部活終わりの体育館。昨日となんら変わりのない光景。でもいつもと違う。昨日と同じように壁際に華楓と月島がいるが…
「…」
「えっと今日は…」
華楓はぶつぶつと言いながら昨日と同じように記録を書いている。すると月島が口を開いた。
「…ねぇ…っ…華楓…」
慣れないのか少し言葉を詰まらせながら華楓に声をかけた。
「おっようやく名前で呼んでくれた嬉し~!で、何?」
「今日…この後空いてる?」
「えっ?今日?まぁ空いてるよ。今日も岩ちゃん来ないから家でバカと2人だしさ面倒なn「晩御飯…」!?」
華楓の言葉を遮って月島は言った。月島はそのまま話を続け
「…晩御飯…一緒に食べない?…ファミレスだけど…」
「いっ一緒に!?いいの…?」
「…うん…親には許可もらってるから…山口もどう?」
「え、オレも?」
月島の方へ寄ってきた山口に気づいた月島は山口にも声をかけた。そして山口の言葉に頷いて返す。
「本当にいいの?」
「うん…」
「本当にオレもいいの?」
「うん」
華楓と山口はアイコンタクトをし月島の方を向き言った。
「「ありがとツッキー!!」」
「っ…うん…」
華楓の笑顔に見入ってしまった月島は照れた顔を隠せなかった。どうやら山口の方は見ていなかったようだ。
「あ、じゃあ制服に着替えてくるから準備終わったら門の前で待ってて!」
そう告げると華楓はその場を後にした。
「良かったねツッキー。ツッキー華楓ちゃんのこと前から気になってたんだよね?」
「うん…まぁ…正直山口いなかったら多分誘えなかった…」
照れながら言う月島の言葉に小さく笑った山口。
「でもツッキーなら上手くいくよ!頑張れツッキー!!」
「…うるさい山口」
「ごめん、ツッキー☆」