第4章 視力検査*花巻貴大
翌日、華楓の家には青葉城西高校のバレー部数名が集まった。
「おじゃましまーす」
「どーぞー」
皆が華楓の家に来たのは華楓の勉強を教えるため。
「ねぇ俺マリカー持ってきたけどやる?」
「まっつんナイスだわ」
とは言ったものの遊ぶ気の松川と及川。
「…勉強教えてくれるんだよね?」
「もちろん!」
口ではそう言っている松川だがゲームをセットし始める。
「…はぁ」
「他の人が教えてる間はいいんじゃない?これジュースとお菓子」
国見はそういいながら華楓にジュースとお菓子が入った袋を渡す。
「わぁありがとう!普通あたしが渡す側なのに。呼んだのあたしだし」
「いいよ別に。俺も食べたいから」
「え?」
不思議に思った華楓は袋の中を漁る。
「塩キャラメルってくにみんが食べたいだけでしょ!」
はぁ、とため息をつき周りを見渡すと、もう華楓の家のリビングは勉強に適した場所ではなくなっていた。
「…あのさぁ…」
しばらくして、華楓の家のリビングは落ち着き、ゲームはしているもののTVの音量を小さめにして彼らなりに配慮していた。
「…で、この前を見ればさ…」
先程塩キャラメル一色だった国見は眼鏡をかけた華楓に現代文を教えている。
「…あ"っ!!」
一方マリカーをやっていた及川はコースアウトしたのか、大声をあげる。
「「シーっ」」
咄嗟に松川と花巻が及川に注意する。皆華楓の怖さを知っているからだ。
「…おーなるほどなるほど!結構わかった!ありがと!次は…マッキー!英語!」
「はいはい」
花巻が呼ばれ一時中断したマリカー組はプレイヤー交代し、花巻は華楓の隣に座った。
「えっと…華楓は何処が苦手なの?」
「殆どだけど強いて言うなら長文」
「なるほど…」
面倒くさいと思いながら返す花巻。
「ねぇ、キリいいしコンビニにアイス買いにいかない?」
「いいな、2人は何欲しい?」
一旦ゲームを終えた及川と松川は華楓と花巻に聞く。
「うーん…クーリ○シュか雪○だいふくかk○riのアイス」
「俺IC○ BOXで」
「んじゃ待機組行くよー!」
及川の声掛けで二人を除いた全員はコンビニに行った。
…え、2人きり!?