第3章 兄妹ケンカ 初級編*及川徹
「ハハハなんか華楓らしいな!」
「どんなだよ…」
「というか…及川って馬鹿なんだな…」
華楓の話を聞いた西谷は面白がっており、それに突っ込む縁下。他は澤村をはじめ色んな人が及川の馬鹿さを知る。
「まぁ馬鹿っていうか妹馬鹿的な感じですかね…」
華楓が普段の及川の様子を考えながら答えた。
「何その親馬鹿みたいなノリ」
一番呆れた顔をしている月島がボソッと口にした。
「というかその前に!なんで殴っただけで華楓ちゃんは切り傷なっちゃったの!?」
「あ、それ思った!!」
一番華楓の心配をしている谷地さんがおどおどしながら問う。それに便乗するかのように日向も聞いた。
「ほら鉄砲とかさ、銃弾は当たってなくても掠ると刀で斬ったような切り傷できるでしょ?あれと一緒で凄い勢いで殴ったら切れた」
「うわぁ痛い…」
「実際痛いのは華楓ちゃん…」
華楓の切り傷を想像した東峰は鳥肌を立たせながら言い、それを見ていた菅原は鋭く突っ込む。
「傷口触んなきゃ痛くないんですけどね…」
「充分痛そうだよ!!」
話を聞いただけで痛そうと言いながら山口は月島にギュッとくっつく。それを当たり前のように嫌がる月島。
「ちょっと山口!くっつくなよ!」
「あっごめん、ツッキー☆」
「にしてもよくそんな簡単に手が出るよな」
田中はむしろ関心している。
「もう何度も殴ってるんで慣れてるっていえば慣れてる方なので…ってあれ?」
「華楓どうしたの?」
話しながら鞄の中をあさり始めた華楓。日向はその行動を見ながら聞いた。そしてしばらくしてから
「…鍵忘れた」
「アンタ馬鹿なの?」
「やばやば!どうしよ!」
月島の言葉も無視して少し慌てる華楓。
「大王様のところ、行けばいいんじゃない?」
「…はぁ!?」
慌てまくる華楓に救いの手を差し伸べたように日向は言った。当たり前のごとく驚く華楓。
「えー…喧嘩したばっかなのに…」
「電車ならそこそこ近いし行ったほうがいいんじゃないかな?」
菅原も日向の意見に便乗し言う。少し考えてから華楓は
「…しょうがない…行くか」